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残塁(旧満州)

作品名 よみざんるい(きゅうまんしゅう)
TitleFortress Ruins (Former Manchuria)
作家/ Artist中尾彰 NAKAO Sho
制作年昭和6年
Date1931
寸法/ Size(cm)50.6×60.5
技法・材質油彩・カンヴァス
MediumOil on canvas
分類絵画
ClassificationPaintings
分類2油彩その他
Classification2Oil Paintings, etc.
作品番号/ Accession NumberOJZ0174000
作品解説この作品が制作された昭和戦前期は、戦争への不安が色濃く漂うその一方で、日本の近代文化全般が成熟し始めた時期である。洋画界においても、フランスなどから新しい美術思想が紹介され、さまざまな動向の中に具象表現の新たな表現をを求める動きが出てきた。
そのような流れの中、中尾は1920年代半ばより制作を始め、当初は黒や茶褐色系の色彩でセザンヌ風の作品を描いていたが、やがて青や緑を用いた内省的でシュルレアリスム的な作風に移行する。この作品はその時期に描かれたもので、中尾が少年時代を過ごした満州の広漠とした風景に根ざしながらも、人気のない城塞の跡が作品に現実離れした雰囲気を与え、幻想的な情景に転じている。また、明確な輪郭線でかたどられたモティーフは入念に選ばれた色面によって構成されており、1930年代の洋画界のモダンでみずみずしい感覚を伝えている。

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