東京十二題 雪に暮るゝ寺島村

TitleTwelve Views of Tokyo; Terajima Village in a snowy twilight, Mukôjima
作家/ Artist川瀬巴水 KAWASE Hasui
制作年大正9年
Date1920
寸法/ Size(cm)36.2×24.1
技法・材質多色木版・紙
MediumColor woodcut on paper
分類版画
ClassificationPrints
作品番号/ Accession NumberPRZ1026000
作品解説1915(大正4)年から版元渡邊庄三郎の提唱により始まった新版画運動は、自画・自刻・自摺を主張する創作版画に対して、絵師・摺師・彫師、それぞれの優れた技を集結してこそ完成度の高い芸術版画が生まれるとするものだった。この江戸浮世絵版画の伝統を受け継ぐ分業システムによって、渡邊版画店からは美人画の橋口五葉、伊東深水、役者絵の山村耕花、風景画では吉田博、川瀬巴水らの優れた作家が発掘され、数々の名作が産み出された。
この作品は、巴水が1918(大正7)年に新版画としての処女作を発表してから間もない、1919年から21年にかけて制作された〈東京十二題〉の内の1図である。巴水は日本全国を旅し、実際のスケッチをもとに各地の風景を作品にしていったが、生まれ育った東京についても、必ずしも名所ではない何気ない風景を、住人ならではの眼で捉え、そこに折々の気象や時刻が織りなす演出を加えて詩情豊かな作品に仕上げている。この作品では、画面中央に電柱を立て、家並みと側溝がそれを巻き込むように画面奥へと続く構図のおもしろさと共に、優れた摺師の手による雪の質感が、広重の雪景を彷彿とさせるような静寂な雪の夜を表出している。

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