志村 ふくみ

作家名(ヨミ)シムラ フクミ
作家名(英語)SHIMURA Fukumi
作家名(原表記)
生年月日(西暦)1924
生年月日(和暦)大正13年

略歴・解説

【令和5年度第2回収集審査部会資料 作家解説文】
《青都》 1993(平成5)年頃 1領 絹糸、植物染料、紬織 丈122.0×裄68.2cm
年記:なし 署名:作家直筆の色紙に「青都 志村ふくみ(印「志村ふくみ」)」
来歴:名古屋のコレクターが展示会で購入したものを寄贈予定者が譲り受ける
出展歴:「志村ふくみ作品展」名古屋・丸栄スカイル8階画廊 1993(平成5)年

 1924(大正13)年滋賀県近江八幡市に生まれる。染織家。1990(平成2)年、無形重要文化財「紬織」に認定。三十代の頃、生母の影響で染織の道に足を踏み入れ、植物染料を用いた紬織と出会う。1957(昭和32)年、「第5回日本伝統工芸展」に初入選し翌年から3年連続受賞、以降も1994(平成6)年まで本展に出品を続ける。以降は独自の作風を追求し、後継者への指導にも積極的に取り組んでいる。当館ではすでに120件の作品を所蔵している(令和5年4月現在)。
 寄贈候補作品は、着物用のコートである。藍、茶、ベージュの格子模様で、作家により「青都」と命名されている。「青都」とは作家の造語で、青く美しい琵琶湖を擁する故郷、滋賀への思いを託したものであるという(寄贈予定者が作家に問い合わせた際の回答による)。伝統を踏まえた格子模様でありながら、随所で使用される藍の横糸がアクセントとなり、印象的な作品となっている。
 寄贈予定者は、本作が展示会に出品された際に買い求めた名古屋市のコレクターから譲られ、個人的に長年保管していたが、広く作品を見てもらいたいということから寄贈を希望された。
 志村ふくみは郷土の作家として非常に重要かつ人気も高く、2024(令和6)年度には生誕100年の記念展も予定している。本作の収蔵により、志村ふくみコレクションの一層の充実と今後の常設展示、企画展示への活用が期待される。
(担当:山口真有香)

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