天保荒歳物語

登録番号1495
資料群名斎藤報恩会寄贈資料
作成者等仙台薮中厳生楼序
年月日天保10年(1839)9月序
数量1冊
法量縦26.0 横17.8
備考・解説天保の飢饉の惨状について後世への戒めとして著した書物。上・中・下の3巻3冊本であるが、斎藤報恩会寄贈資料には上巻1冊のみがある。版心に「松寿堂蔵」とある用箋に筆記され、一見すると製版本のように仕立てられている。宮城県図書館には仙台文庫用箋を用いて「天保荒歳物語」上・中・下巻を1冊にまとめた挿絵のない筆写本が所蔵されている。本資料の序は「天保荒侵伝序」と貼紙で訂正される。国立国会図書館では仙台藩医の庄司玄啓(玄琢)著とする「天保荒侵伝」3巻3冊を所蔵しており、これは本資料と内容を同じくする。本資料の序文、宮城県図書館蔵本の跋文を記した藪中厳生楼(泰豊)は庄司厳琢のことであろう。筆写は序文で、天明の飢饉から50年を経て、人々が飢饉の記憶を忘れ、驕奢に振る舞うために、天の怒りを受け五穀不熟の禍、天変地妖が現れたと説く。そのため本書では、自然災害や人災だけでなく化物や奇怪な事件による被害も含まれる。物語には挿絵があるが、悲惨な場面と反して人々の表情は明るく描かれる。『仙台市博物館収蔵資料図録⑧ 斎藤報恩会寄贈資料』57。

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