蹴鞠図屏風

資料番号1986-021
資料名蹴鞠図屏風
員数4曲1隻
制作年代桃山時代
解説華やかに咲き誇る桜花の下で貴紳が蹴鞠に興じている、いわゆる公家風俗図の一作である。
 蹴鞠は平安時代より公家の遊興として流行し、室町時代以降は飛鳥井家を中心に体系化、流派化されたが、本作はこれらに基づく絵画化ではなく、また『源氏物語』の「若菜上」の蹴鞠の部分とも趣を異にしており、むしろ宮中での即興の遊楽図といえよう。
 数度の改装により肝心の鞠が失われているのが惜しまれるが、ほぼ同一構図を持つ根津美術館所蔵作により、鞠の位置や中央下方の人物が今鞠を蹴り上げたばかりの構図であることが知られる。また、全体に剥落や後補が多いものの、根津美術館本に先行する桃山時代の作品である。(『堺市博物館優品図録』より)

『堺市博物館優品図録』『堺市博物館所蔵品図録 屏風編』に掲載

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