絹本墨画 岩松徳純筆 竜図(右幅)

資料番号SPM2021-0028-0016-0002
大分類美術
製作者岩松徳純
員数1
寸法(cm)101.5×39.0(本紙)
指定
備考右手に剣をとり小鬼を踏みしめる鍾馗と、黒雲をまとって現れる龍の図の対幅。鍾馗は中国唐代の皇帝玄宗の夢に現れ魔を祓い、病を治したという故事から日本でも信仰された。疫病を祓い、魔を除く神として、もっぱら端午の節句に幟絵や人形として作られた。竜図も端午の節句に関わりのあるものとして本資料の画題に選ばれたと考えられる。
岩松徳純(1777~1825)は上野国出身、江戸時代後期の武士。柳慶、耐齊と号する。新田氏の子孫で代々徳川家の祖家として優遇され、旗本として仕えた。狩野派の画風を学ぶ。徳純を含む新田岩松氏四代の描いた猫の絵は、養蚕農家にとってネズミ除けの験があるとして人気が高まり、多くの需要があった。岩松徳純の鍾馗図は東京藝術大学大学美術館本があるが、それとは款記と図像が異なるもので、筆致も充実しており徳純の作例の中でも良作と思われる。
「鍾馗図」
落款:「新田義貞之末裔」「耐齊源徳純画」
白文方印:「徳純信印」
朱文方印:「鵬閣主人」
引首印:「筆硯精良/人生一楽」
「龍図」
落款:「清和苗新田裔」「源朝臣徳純筆」
白文方印:「徳純信印」
朱文方印:「鵬閣主人」
箱書蓋表:「新田徳純筆/鍾馗/雲竜」
所蔵館埼玉県立歴史と民俗の博物館

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