絵馬(乳牛)

ふりがなえま(にゅうぎゅう)
資料番号SPM2021-0024-0001
大分類民俗
採集地 出土地埼玉県比企郡嵐山町
員数1
寸法(cm)16×21.3
指定
備考乳牛を描いた小絵馬。本来、鳥居形の黒色の縁を付けるが右の縁を欠く。
嵐山町菅谷で、明治期から養豚業、精肉店を営み、戦後期から昭和60年頃まで養蚕・酪農業を営んだ家から寄贈されたもの。
埼玉県内で著名な小絵馬は、東松山上岡観音(妙安寺馬頭観音堂)の絵馬市(2月19日)で絵馬講が頒布したもの。妙安寺の馬頭観音信仰は関東地方に広い信仰圏を有した。絵馬は熊谷市久下を中心に農間余業として製造・販売された。本来は馬の絵柄のものが頒布され、馬の所有者が似た毛色の絵馬を購入し厩に打ち付けた。戦後に農耕牛や乳牛の絵柄が中心となり、トラクターなどの絵馬も販売された。牛馬耕が廃れた昭和30年代を通じて販売枚数は1万枚から千枚ほどに減少した。
本資料は幅6寸の「小物」と呼ばれるもので、一般の農家が購入した。仮に上岡観音の絵馬市で頒布された絵馬だとすると、乳牛の絵馬は戦後に売られるようになり、昭和35年から入るようになった「開運」等の文字がないので、昭和20~30年代のものと推測される。
所有者からの聞き取りでは、飼っていた牛の模様を描いたものとのこと聞いているとのことであったが、絵馬市で毛色などが似た絵馬を購入する文化を伝聞したものである可能性がある。
所蔵館埼玉県立歴史と民俗の博物館

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