タピオヴァーラ,イルマリ

作家名(英語)TAPIOVAARA, Ilmari
生年1914
没年1999

略歴・解説

フィンランドのハメーンリンナに1914年9月に生まれる。アルヴァ・アアルトに師事し、同じフィンランドのデザイナーとして、地元の素材を生かした家具制作に取り組んだ。アアルトのみならず、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエの事務所でも経験を積んでおり、青年期にモダンデザインのパイオニアから多くを学びその理論を吸収したことが原点となっている。
デザイナーとして出発してからは、とりわけ暮らしを豊かにする量産家具のデザインに取り組み、ヘルシンキ工科大学附属の学生寮「ドムス・アカデミー」のための一連の家具(1946年―)で高く評価される。フィンランド産バーチ材を用い、量産型でありながら、独自の脚や座面、肘置きの形状とプロポーションで、合理的でミニマムなモダン家具を異化したような独自のデザインを生み出した。座面や背もたれの曲げ合板は、三次元の立体型であり、当時の最新技術を駆使している。
「ドムス・シリーズ」の後の同時代の「ピルッカ・シリーズ」(1955年―)は、小枝のような形状の脚と二枚の木材を組み合わせたデザインを特徴とし、様々な種類のチェアやテーブルなど多彩なラインナップを発表するほどの人気作となった。他、1950年代に《ルッキ・チェア》や《マドモワゼル・ラウンジチェア》などフィンランド原産の木材と曲げ加工技術を駆使した家具を発表している。ミラノ・トリエンナーレ等で数々のデザイン賞を受賞。

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