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アヒルと水辺の草花

ふりがなあひるとみずべのくさばな
管理番号モ005-0420
地域シリア
時代
年代4-5世紀
素材色石
大きさ
解説円形枠の中に、水草とアヒルが描かれている。画面に奥行き感を示唆するものがなく、装飾的・文様的な構成である。こうした抽象性の高い描写からみて、やや年代を遡る作例であるとみられる。まわりを囲んでいる円形枠も、灰色を主体とする無彩色に近いグラデーションからなっており、金属の鈍い反射を思わせるような、重く鋭い色調を呈している。シリア地方では、4世紀に幾何学文が流行し、やがてそこへ動物や鳥などの生物の形像が入り込むようになる。5世紀後半には動物文の大構図が広まるが、この資料は、幾何学文のみで占められていた装飾から動物文への移行期のものではないだろうか。その頃のモザイクには、地文の文様帯に白のハイライトの多用で金属の鈍い光沢に似た調子が現れる。円形や矩形、釣鐘型などの枠の中に、空間の奥行き感の乏しい生物の形像が、少しずつ挿入されるようになって行くのである。
分類モザイク
キーワード黄 き、茶 ちゃ
おおきい
西アジア、シリア、北部
石・鉱物
建築材、モザイク
生き物、鳥、アヒル、植物、花

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