タシロヤモリ(撮影:又吉盛健)

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なぞのヤモリ・タシロヤモリ

No文136
資料名(よみ)●なぞのやもり・たしろやもり
概要名護市広報・市民のひろば2001年(平成13年)6月号掲載。名護市の自然136
詳細 沖縄のヤモリについて、長年調べてきたが、実態がよくわからない種類があります。タシ口ヤモリがそうです。調査を困難にしているのは、ホオグ口ヤモリと似ており一見しただけではなかなか見分けられないからです。古い記録には沖縄島 宮古島 石垣島などから採集されています。和名は、明治期に沖縄県内を調査した田代安定氏の名前にちなんでいるようです(宮古の記録はTashiroとなっています)。タシ口ヤモリは、台湾以南の熱帯域に広く分布しますが、県内では少なくて確認が難しいようです。ところが、琉球から本土までの間では奄美大島を北限としますが、その北限の奄美では比較的みられます。沖縄では少なくてなぜ奄美に多いのでしょうか。奄美大島には、近い種類(同属)のホオグ口ヤモリが分布していないことに関係していると考えられます。それでは、なぜ名護市とタシ口ヤモリかというと、沖縄島で見つかる可能性が高いのは、ホオグ口ヤモリが多い中南部よりは北部の名護市の方がよいからです。それも奄美と類似する山間部の集落にヒントがあるかもしれません。夜間、集落の街灯を双眼鏡でのぞいている人がいたら、怪しいと思うでしょう。しかしそれはヤモリを調査している人かもしれません。
(当山/01.5)

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