めだたないミナミヤモリ

No文99
資料名(よみ)●めだたないみなみやもり
概要名護市広報・市民のひろば1998年(平成10年)4月号掲載。名護市の自然99
詳細 「やもり」とワープロで打つと「守宮」という漢字が出てきます。なぜ、守宮なのか辞典等で調べると女と男の話に関係してくることがわかります。ここでは詳しいことは省略しますが、簡単にいえばヤモリがリトマス試験紙のような働きをするとのことです。結局そのことが宮中を守ることになるからだといいます。これは、優雅な平安朝の話です。平安朝の守宮はニホンヤモリに該当します。以前は、沖縄産もニホンヤモリとして取り扱われていましたが、その後の研究によって、南九州以南の琉球列島に分布するものはミナミヤモリに分類されました。それほど両種は似ていたわけです。それで、沖縄のミナミヤモリも守宮の範中に入れておきたいのです。
 名護でミナミヤモリをみるとしたら、家屋内よりは家屋外でよくみられ、またやや樹木の繁ったところでもみられます。ホオグロヤモリと比較して鳴かないし、目立ちませんが結構いろいろなところでみることができます。御嶽の祠(ほこら)などは典型的なすみかです。そこでよくみられるので、御獄などのお宮を守っているようにみえ、守宮などとよく名付けたものだと感心させられそうです。ところが、守宮の名称は人間世俗のお話に起源するもののようです。それでも、御獄等に出かけてミナミヤモリをみつけてみましょう。きっと、御獄を守っているようにみえるでしょう。
(当山/98.4)

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