木になるシダのヒカゲヘゴ
| No | 文86 |
|---|---|
| 資料名(よみ)● | きになるしだのひかげへご |
| 概要 | 名護市広報・市民のひろば1997年(平成9年)4月号掲載。名護市の自然86 |
| 詳細 | 森を形成する植物たちは、木、草、着生、つる等それぞれの生活スタイルを持っています。中でも木のスタイルは、シイやマツの木のように森の外観を決める程の影響度を持っています。これらの木には、太陽の光を求めて、上へ上へと背伸びするにつれ、幹にある形成層という組織から、後に木材となる木部を次々と作り出し、幹を太らせ、枝葉を空中高く拡げることが出来るのです。 ヒカゲヘゴも木になります。伐採跡地や林道沿いで湿気や水分が多く、日当りの良い所に群生します。本の高も10~15m程度に伸び、幹の先端に羽状の大きな葉を傘形に拡げて、遠目からもよく目立ちます。 ところがこの木は、先のシイやマツのきとは、体を支えるしくみにだいぶ違いがあり、変わっています。幹には木材を作る形成層がないため、肥大することが出来ません。その代わり、地上部の幹から不定根という細い根をたくさん出して体を支えるのです。また繁殖法にも違いがあり、シイやマツが種子でふえるのに対して、ヒカゲヘゴは胞子でふえるシダ植物です。これは、木という似た生活スタイルを取っていても、互いに進化して来た道筋も異なるものがあることを物語ります。 (比嘉/97.3) |
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