小枝の先に止まるオキナワアオガエルの若い個体

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季節を謳うカエルたち・オキナワアオガエル

No文70
資料名(よみ)●きせつをうたうかえるたち・おきなわあおがえる
概要名護市広報・市民のひろば1995年(平成7年)12月号掲載。名護市の自然70 
詳細 カエルは春の動物と思っていませんか。たいていの教科書や本では、カエルは春の生き物として紹介されています。ところが名護も含めて、山原ではカエルの繁殖のピークは冬なのです。沖縄島にすむカエル12種類のうち、4種類は冬に産卵します。その代表が、12月から3月頃にかけて産卵するオキナワアオガエルです。市内では汀間、安部、嘉陽、幸地又、名護グスクなど、各地で見つかります。主に、山地の林縁部や耕作地周辺の水たまり近くに、泡で包んだ卵を産みます。卵のうのはいった泡は、半分地面に埋よっていることもありますが、石や木の枝などにくっつけられている場合もあります。
 どうして彼らは冬に産卵するのでしょうか。ひとつには、天敵が少なくなる季節であることが考えられます。
 また、ふ化したオタマジャクシが生きられる気候であることも考えられます。いずれにせよ、冬に産卵する力エルがいることは、まさに山原が亜熱帯ということの証拠なのでしょう。
 これから後、私たちにとっては寒い季節を迎えますが、オキナワアオガエルにとってはホットな季節になります。しかし、それはまた汀間や安部などの県道で、道路を渡れずに、哀れにもひき殺された個体が目につくようになる季節でもあります。
(千木良/95.11)

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