オオウナギ(方言名・カーンナジ)

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オオウナギ(カーンナジ)

No文45
資料名(よみ)●おおうなぎ(かーんなじ)
概要名護市広報・市民のひろば1993年(平成5年)10月号掲載。名護市の自然45
詳細 昔、仲尾次のウェーガマタガーに怪獣のような大ウナギがすみつき、昼間でも水面に顔を出して人の手からエサを食べたといいます。しかし、彼らの一族は波乱万丈の運命をたどったようです。
 字史によると、4代目の大ウナギは昭和6年頃に死んだのでカー(共同井戸)の西側に葬り、その上に桜の木を植えて供養したといいます。村人たちは人情が厚く、ウナギにとってはすみよい時代だったのです。
 ところが、2代目の大ウナギは軍国主義の犠牲になりました。昭和17年頃、警官が捕ったといいます。食べるためではありません。村人たちが「カーの守り神」として大事に育てているので、迷信打破のために捕ったようです。沖縄戦が間近に迫り、人を見たらスパイと思えという時代です。戦争が始まると、人間はまともな考えができなくなるようです。人心を撹乱する犯人として、ウナギまで逮捕するとはばかげた話です。
 3代目の大ウナギがいなくなったのは、昭和36年の体育祭の日です。村人がいないのをみはからって、何者かが持ち去ったようです。戦後、人々の心が荒れすさみ、世の中が乱れたことを物語っています。それを最期に、ウェーガマタガーに大ウナギがすみつくことはなくなりました。人とウナギが共存できる時代は終わったのです。(幸地)

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