タウナギ(方言名・トーンナジャー)

タウナギ(トーンナジャー)

No文44
資料名(よみ)たうなぎ(とーんなじゃー)
概要名護市広報・市民のひろば1993年(平成5年)9月号掲載。名護市の自然44
詳細 トーンナジャーの世界では、婆さんは見当たりません。女性は若く、年寄りは男だけです。不老長寿の秘訣があるわけではありません。女性は、年が気になると、男に変身するのです。性転換をして中年男に生まれ変わったトーンナジャーは、若い花嫁を迎えて新婚生活に入るわけです。若い間はほとんどがメスで卵を産み、体長30cmぐらいまで成長すると、オスに変わり父親の役目を果たすようになるのです。
 普通の魚は、水から出すと死んでしまいますが、トーンナジャーは水面へ顔を出して空気呼吸もします。そのような訳で、干上がった田んぼの泥の中で何日でも生きることができるのです。しかし、水中に閉じこめておくと、溺れて死にます。魚のくせに溺れるなんてだらしない奴だと思うかもしれませんが、エラが小さいので仕方がないのです。稲作が盛んだった頃は、羽地ターブックァなどでよく見かけましたが、最近は見る機会が少なくなりました。泥の中にもぐっているので、掘り起こさないと見つかりません。沖縄ではさほど利用されていませんが、中国では強壮剤として好まれ、市場でも売っているといいます。
 日本名はタウナギですが、ウナギの親類ではありません。ヘビのような体形をしており、無愛想な顔つきをした魚ですが、性格はおとなしいのです。(幸地)

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