嘉津宇岳・安和岳・八重岳の遠望

嘉津宇岳の自然観察

No文8
資料名(よみ)かつうだけのしぜんかんさつ
概要名護市広報・市民のひろば1989年(平成元年)11月号掲載。名護市の自然8
詳細 名護市の西にそびえる嘉津宇岳(447m)は、隣の安和岳(432m)や八重岳(453m)とともに、昭和47年3月に県指定の天然記念物になり、その保護が図られています。
 名護岳や多野岳と違って、その基盤が古生代や中生代(約2億年前)の古い地質から成るため、カンアオイの仲間やヤマアイ、カツウダケエビネなど植物地理学上貴重な種類が多い地域です。 ここはまた昆虫類も多く、県指定天然記念物のコノハチョウをはじめ、ツマベニチヨウやリュウキュウアサギマダラなどが林道わきで観察することができます。
 多野岳の自然観察で紹介したアカハラダカの渡リは、ここでも見ることができます。1989年は9月9日に最初の渡りが確認され、その後1ヵ月間、好天の日には数百羽の群れをつくり、名護湾の方向へ飛び去のが観察されました。そして40月5日には、このタカと入れ替わるようにサシバの飛来をる確認しました。
 ワシタカ類以外には、国の天然記念物であるカラスバトが、林内で「ウッー、ウー」と牛が鳴くような声で鳴いているのがよく聞かれます。さらに国の天然記念物であるアカヒゲという、体長14cmほどのコマドリの仲間も確認しています。
 ところがここで確認されたアカヒゲは、奄美大島や徳之島などにすむアカヒゲでした。まさに「未知との遭遇」です。おそらく渡ってきた個体と考えられます。
 嘉津宇岳は眺望のよさや、短時間で頂上まで登れるため、小学生の修学旅行での登山コースに選ばれたりします。皆さんも、一度はゆっくりと自然観察をしながら登ってみてはいかがでしょうか。(嵩原)

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