C-Ⅰ‐① 飼葉入れ

ID1009
資料名(よみがな)C-Ⅰ‐① カイバイレ
資料解説 牛にとっても、健康を保ち、全てのエネルギーの源となる食事は重要です。牛は餌を食べたあと1時間ほどは反芻するので、その間は作業はさせません。
 牛の給餌は1日3回行われ、これに使用する器が飼葉入れです。藁6~7把を2、3㎝に刻んで飼葉桶に落とし入れ、これに米のとぎ汁5~6升ほどを沸かしたもの(マゼユ、ゾウズ)をかけたもの、これにフスマ(小麦を挽いたときにできる皮屑)や米糠を混ぜると大変喜んで食べたといいます。また、麦と小米1升ずつ、その他藁屑、ドロイモやジャガイモなどを一緒に炊き、糠も入れて与えたとも聞きます。さらに耕起作業が始まる前には、体力をつけさせるため、さらに裸麦を炊いたり、みそ汁を与えたりすることもありました。
資料説明詳細飼葉入れ(かいばいれ)
(C)牛耕に使う牛の世話をする道具類 (Ⅰ)牛に餌を与える道具 ①飼葉入れ 4点のうち
 一般に「飼葉桶(かいばおけ)」と呼ばれる円筒桶タイプ(右)3点と、木をくり抜いたり、板材を組み合わせて作る舟型のもの(左)1点があります。
 このほか、少し離れた場所で作業をする場合には、外での給餌用に小型の桶を使う人もいました。
 
 
資料解説引用岩宮隆司『奈良県の牛耕用具』概要説明(県教委提出資料「資料4」及び草稿)2007年
岩宮隆司「奈良市疋田町から収集した民具についてー牛耕を中心にー」(『奈良県立民俗博物館だより』通巻92・93合併号2004年)
岩宮隆司「県指定有形民俗文化財「奈良県の牛耕用具」の概略」(『奈良県立民俗館だより』通巻99号 2007年)
『国際常民文化研究叢書6-民具の名称に関する基礎的研究-[民具名称一覧編]』神奈川大学国際常民文化研究機構 2014年
浦西勉「牛耕についての聞き書きー生駒市南田原ー」(『奈良県立民俗博物館だより』通巻56号)
コレクション総説奈良県指定有形民俗文化財「奈良県の牛耕用具」(平成19年3月指定)
 奈良県の農耕用具のうち、牛を利用して田畑を耕作する民俗資料群544点。①牛耕時に牛に牽引させる農具類(327点)、②牛耕時に牛に装着する道具類(186点)、③牛耕に使う牛の世話をする道具類(31点)からなる。
 使用年代は江戸時代末期~昭和前期、奈良県が稲作の反あたりの収穫量が全国トップクラスであった時期にあたる。収集地域は、奈良盆地を中心に奈良県全域にわたり網羅されており、奈良県の農耕技術の具体的な実態と変遷及び地域的特色をよく示している。 
所蔵館奈良県立民俗博物館

この資料に関連する資料

PageTop