増谷文雄著作集

資料名(ヨミ)マスタニフミオ チョサクシュウ
編著者増谷文雄∥著
巻次 5
各巻書名仏陀の伝記:資料の研究
発行日1981/06/30
出版者角川書店
出版地東京
版表示初版
関連人物増谷 文雄
資料コード25252
目次アーガマ資料による仏伝の研究
開題
序文

第一章 アーガマ(阿含)資料について(一)
1.アーガマ(阿含)資料の概観、および、アーガマ(阿含)なる用語法について
2.アーガマ(阿含)資料の原型の成立と第一結集の記録についての吟味
3.パーリ五部、ならびに、漢訳四阿含の成立の過程と、そのおのおのの経典群の批判
4.パーリ律蔵、ならびに、漢訳諸律について

第二章 アーガマ(阿含)資料について(二)
1.とくに、パーリの相応部経典と漢訳の雜阿含経について
2.有偈品(Sagātha-vagga)について
3.因縁品(Nidāna-vagga)について
4.蘊品(Khandha-vagga)について
5.六処品(Salāyatana-vagga)について
6.大品(Mahā-vagga)について
7.相応部経典の構成と、その主要な相応について

第三章 仏伝の最初のこころみ(一):律蔵、大品(一、一~二四)
1.アーガマ(阿含)資料のなかにおいて仏伝のこころみをなした諸経
2.パーリ律蔵、大品、における仏伝の最初のこころみについて
[附表]
 a.パーリ律蔵、大品(一、一~二四)と、四分律、五分律、十誦律の相当部分に関する対照表
 b.パーリ律蔵、大品(一、一~二四)の各章節と、その資料または同本の対照表
3.パーリ律蔵、大品(一、一~二四)の構成要素について
4.パーリ律蔵、大品(一、一~二四)に引用された相応部経典の諸経について
5.漢訳の諸律における仏陀の正覚以前の記録について

第四章 仏伝の最初のこころみ(二):中部経典、二六、「聖求経」
1.中部経典、二六、「聖求経」と、中阿含経、二〇四、「羅摩経」について
[附表]
 a.その二経の対照表
 b.「聖求経」の各章節と、その資料または同本の対照表
2.「聖求経」の構成と、パーリ律蔵、大品(一、一~二四)との比較
3.「聖求経」における仏陀の正覚以前の記録について

第五章 仏伝の最初のこころみ(三):長部経典、一六、「大般涅槃経」
1.「大般涅槃経」の構成について
[附表]
 a.「大般涅槃経」の各章節と、その資料または同本の対照表
2.「大般涅槃経」の骨格をなす三つの資料
3.「大般涅槃経」は増支部経典に依拠する傾向がつよいこと
[附表]
 b.「大般涅槃経」における増支部経典からの引用諸経の表
4.「大般涅槃経」に引用された偈について
5.「大般涅槃経」における非現実的、超自然的、神秘的表現について

第六章 悪魔相応の諸経
1.悪魔相応の諸経と仏陀の人間性との関係について
2.悪魔相応の諸経はすべて、仏陀の正覚以後に関するものであること
[附表]悪魔相応の各経の、時処、対象、誘惑の内容に関する表
3.苦行の放棄についての仏陀内心の不安を語った諸経
4.諸法伝道についての仏陀内心の不安を語った諸経
5.食欲の問題、権勢の問題、財欲の問題をとりあつかった諸経
6.生命もしくは寿命の問題をとりあつかった諸経

第七章 梵天相応の諸経
1.伝道の決意にいたる消息を語った二つの経
2.とくに「勧請」について
3.伝道の決意にいたらしめた真の動機は何であったか

第八章 最初の説法の成立について
1.最初の説法の対象として五比丘を選択したこと
2.最初の説法の内容をなす「如来所説」の試訳
3.最初の説法の内容としての四聖諦と、正覚の内容としての縁起もしくは十二支縁起との関係について
4.最初の説法の全貌はどのようなものであったか

第九章 第三資料群の仮説について
1.最初の説法以後の伝道活動は、編年史的に整えることが不可能であること
2.仏伝の最初のこころみをなした諸本と、相応部経典などの基本的資料との関係。とくに、それらの諸本が仏陀の事蹟について記した部分は、おおむね、基本的資料に還元することを得ないこと
3.仏陀の事蹟についての資料は、第一結集の編集の対象とならなかったであろうこと
4.仏陀の事蹟に関する弟子たちの思い出は、公式の編集の機会はなかったけれども、しだいに形をととのえられ、初期の仏教徒のあいだに、一連の資料群をなして存していたと考えられること、および、かかる資料群からの引用と考えられる諸例について

第一〇章 相応部経典(および雑阿含経)の仏伝資料としての価値について
1.相応部経典(および雑阿含経)のなかに存する仏伝の資料
2.相応部経典(および雑阿含経)における仏伝資料の性格、および、その例外として注目せられる三つの経について
3.仏伝資料の毀損と増大について、および、相応部経典(および雑阿含経)の仏伝資料の役割について

第一一章 アーガマ(阿含)資料による仏陀の生涯の輪郭
1.アーガマ(阿含)資料のみによって、仏陀の生涯の輪郭を描き出すこころみについて
2.出家から伝道の初期にいたるまでの事蹟と、その資料と、その輪郭
3.伝道の初期から晩年にいたるまでの事蹟と、その資料と、その輪郭
4.晩年からその死にいたるまでの事蹟と、その資料、ならびにその輪郭

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