手の椅子(青)

タイトル手の椅子(青)
タイトル(よみ)てのいす(あお)
タイトル(英語)Hand Shaped Chair (Blue)
作者岡本 太郎
作者(よみ)おかもと たろう
作者(英語)OKAMOTO Taro
制作年1967(昭和42)年
サイズH118.4cm
解説岡本は本作の4年前にも椅子を制作している。それは「坐ることを拒否する椅子」というタイトルの、見た目も、坐り心地も人に抗うような椅子であった。
しかし、この「手の椅子」には、大仏の大きな手に包み込まれるような安心感がある。くぼんだ手のひらが腰を優しく受け止め、そろえた指が背中をしっかり支えてくれる。冷たい感触の陶から温かみのあるFRPに素材が変わったことも、体感的な親和性を高めているのだろう。
岡本は、視覚だけでなく、具体的な手ごたえが感じられる触覚を大切にしていた。触覚の重視は、彼が深く傾倒した縄文美術にも見られるもので、手はその象徴であった。さまざまな分野で、手をモティーフとした作品を制作している。
1981(昭和56)年に相模原市に設置された「呼ぶ 青い手・赤い手」というオブジェでは、手がそのまま顔として造形されていた。手が椅子にもなり、顔にもなる。岡本の発想は子どものように自由自在である。(M.T)

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