薔薇

タイトル薔薇
タイトル(よみ)ばら
タイトル(英語)Rose
作者中川 一政
作者(よみ)なかがわ かずまさ
作者(英語)NAKAGAWA Kazumasa
制作年1971(昭和46)年
サイズ72.9×53.3cm
解説薔薇(ばら)の花を描いた絵は古今東西枚挙にいとまがないが、花びらをかたどるこの角張った線を見るだけで中川一政の作品だとわかる。大胆に簡略化しつつも対象の特徴を的確にとらえたその線は力強い動きをはらんでいる。それは一政がよくした書にも通じる性質であり、隷書(れいしょ)体において「波勢(はせい)」と呼ばれる直線のうねりが認められるのである。この作品を描いた数年後にパリで開かれた個展では「画の中に〈書〉が入っている」と観客からいわれたという。
この薔薇に負けない存在感を示しているのがその花瓶、一政愛蔵のマジョリカ焼の壺である。円形の枠に描かれた人物や流麗な植物模様が異国情緒を醸し出し、「マジョリカブルー」と呼ばれる明るい青色が薔薇の赤や黄に対して効果的な対照を見せる。薔薇とともに一政が好んで描いた向日葵(ひまわり)の花においても、黄色に対して「マジョリカブルー」がしばしば配されている。 (M.T)

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