短刀 銘 伯耆国住広賀作  附)蒔絵葵紋散鞘合口拵

タイトル短刀 銘 伯耆国住広賀作  附)蒔絵葵紋散鞘合口拵
タイトル(よみ)たんとう めい ほうきのくにじゅうひろよしつくる つけたり・まきえあおいもんちらしざやあいくちごしらえ
解説刀の姿は、鋒が短刀によくみられる鎬がない平面的な形(平造り)になっている。刃文は、幅広で緩やかに波打ち、刃文の際は小さく乱れ、ふんわりと明るく輝いている。また、鋒の刃文は、棟側に大きく返っている。地鉄には、杢目や柾目のような模様がみえる。目釘穴は、五つあけられたうち三つ埋められ、二つが現存している。
拵えについては、葵紋が散らされ、金蒔絵が美しい。また柄自体に柄糸は巻かれておらず、鮫皮がむき出し(出し鮫)になっている。柄についている目貫という部分には桐紋などがあしらわれている。また、鍔のない「合口(あいくち)拵」という仕様になっている。
この刀は、その銘から、広賀の天正5(1577)年の作とわかる。作刀時期から、古刀に区分される。
初代広賀は、相模国(現在の神奈川県)綱広のもとで、「相州伝」の作刀技術を学んだといわれる。室町時代後期、伯耆国(現在の鳥取県西部)で、四代にわたり活躍した。(M.E)

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