白い鳥

タイトル白い鳥
タイトル(よみ)しろいとり
タイトル(英語)White Bird
作者加山 又造
作者(よみ)かやま またぞう
作者(英語)KAYAMA Matazo
制作年不詳(昭和50年前後と推定)
サイズ54.6×73.2cm
解説芦の葉の茂る中、画面いっぱいに白鷺を描く。黒々とした墨色の背景は、その姿をひときわ華麗に浮かび上がらせる。とはいえ、実際の白鷺が羽を広げているようには見えない。その身体から円を描くように広がる美しい羽毛は作者が幻視した虚像であろう。あるいは羽ばたく白鷺を連続撮影でとらえた写真のような効果が感じられる。そして、この作品にみる鮮やかで細密な羽毛の表現は、江戸時代の伊藤若冲が描いた白鳳図などを意識したものだろう。白鷺は、芦の葉がそよぐ方向と反対に向け、舞い踊る女のような横顔を見せる。装飾と前衛、写真、芸能など種々の要素が画面の中に凝縮された作品で、革新的な現代性がうかがえる。(H.S)

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