奥海道棟方版画 人肌雨の柵(5月 岩手)

タイトル奥海道棟方版画 人肌雨の柵(5月 岩手)
タイトル(よみ)おうかいどうむなかたはんが ひとはだあめのさく(ごがつ いわて)
作者棟方 志功
作者(よみ)むなかた しこう
作者(英語)MUNAKTA Shiko
制作年1974(昭和49)年
サイズ47.2×36.8cm
解説1963(昭和38)年、現代版の『東海道五十三次』版画の制作を依頼された志功は、これを皮切りに10余年をかけて九州、四国、東北、北陸を巡る、海道シリーズに取り組んだ。
《奥海道棟方板画》では、芭蕉の『おくのほそ道』を辿るという構想が立てられ、志功は1973年4月22日から11日間の日程で東北各地を歴訪している。
本作の取材地は岩手県平泉の中尊寺。芭蕉の「五月雨を降り残してや光堂」の句を添え、秘仏とされる一字金輪佛頂尊を、その上半身を画面いっぱいに拡大して表している。
「人肌の大日如来」とも呼ばれるこの仏像は、その名のとおり、まるで生きているかのような白い肌が特徴である。
その肌合いとともに、志功は本作において、実際の顔立ちを忠実に写し取っている。丸くふくよかな顔におちょぼ口。半円を描く眉に切れ長の吊り目。興味深いことに、それは志功が描く女性像の特徴にもきわめてよく似ているのである。(M.T)

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