夏の像

タイトル夏の像
タイトル(よみ)なつのぞう
作者佐藤 忠良
作者(よみ)さとう ちゅうりょう
作者(英語)SATO Churyo
制作年1988(昭和63)年
サイズH181.0cm
解説腰に両手をあて、足を交差させて立つ若い女性像。右前に出した左足のつま先を、それに逆らうように左方向にひねることで、右向きの上半身に対し、左へ向かおうとする下半身の強いねじれが生じている。
一方、右前方に視線を向け、それに従い右に傾けた頭部から首筋、左肩、さらに突き出した左肘から指先へとつながるラインは弓なりの弧を描く。弧はやや下向きで、左右の鎖骨がつくる直線もそれに同調して右下がりである。
これに対し、右肘はより角度をつけて折り曲げられ、手首の強い返しとともに、左半身の傾斜による作用をしっかりと受け止めている。
大きな身振りによってダイナミックな動きを示すのではなく、一見、静止し、くつろいだポーズの中に身体各部の有機的なつながりと、それぞれの間の緊張と均衡が表現されている。日常的な主題と洗練された造形感覚によって戦後日本の具象彫刻に新風を吹き込んだ忠良の作風をよく伝える作品である。(M.T)

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