チェスキーニ氏の肖像

タイトルチェスキーニ氏の肖像
タイトル(よみ)ちぇすきーにしのしょうぞう
タイトル(英語)Portrait of Mr. Ceschini
作者絹谷 幸二
作者(よみ)きぬたに こうじ
作者(英語)KINUTANI Koji
制作年1988(昭和63)年
サイズH216.0cm
解説強烈な色彩と劇画的表現によるアフレスコ絵画(古代の壁画技法)で知られる絹谷幸二。1980年代後半からは立体制作にも取り組んでいるが、本作はその最初期のものである。
ほとんど主題が共通する同タイトルの絵画(《チェスキーニ氏の肖像》、1986年、奈良県立美術館蔵)についての本人の解説によると、チェスキーニ氏はヴェネツィアの富豪で、絹谷の滞在中、その弟が身代金目当てに誘拐された。生と死が紙一重であることを絹谷は意識させられたという。
ドアから入ってくるのは絹谷の愛犬。ある日、別れのあいさつを済ませて死んだ。身体が宙に浮かんでいるのはそのためである。
スティロフォームを熱線で削り、ほとんど丸彫りに近いレリーフ状につくられた本作は、木のような物質感ともあいまってたしかなリアリティを持つ。またドアの部分などは実際に背後に開かれ、現実の空間につながっている。生と死を巡る物語が、絵画とは別の次元で新たに展開されているのである。(M.T)

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