花束

タイトル花束
タイトル(よみ)はなたば
タイトル(英語)Bouquet of Flowers
作者モイズ・キスリング
作者(よみ)もいず・きすりんぐ
作者(英語)Moïse KISLING
制作年1928年
サイズ73.0×54.2cm
解説窓際に置かれた大きな花束。ピンクや黄、紫の色とりどりの花が一つひとつ丁寧に、しかし伸びやかな筆づかいで描かれている。背景の窓やカーテンは水彩のように淡い色調に抑えられ、柔らかな光を感じさせるとともに、手前の花束のくっきりとした鮮やかさを引き立てている。
キスリングはエコール・ド・パリを代表する画家の一人。ピカソと交流し、初めキュビスム風の作品を描いたが、やがて華やかな色彩と豊かな量感、そして琺瑯(ほうろう)のようにつややかな絵肌を持つ独自の画風を確立し、経済的にも成功を収める。陽気で開放的な性格もあって周囲には多くの芸術家が集まり、「モンパルナスの帝王」とも呼ばれた。
花束は女性像と並び、キスリングが最も多く描いたテーマである。女性像は官能性とともに表情に憂いの漂うものも多いが、花束には屈託のない幸福な気分が満ち溢れ、「生きる喜びを描いた画家」と形容されるキスリングの本領を示すものとなっている。 (M.T)

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