椿づくし鉢

タイトル椿づくし鉢
タイトル(よみ)つばきづくしばち
作者北大路 魯山人
作者(よみ)きたおおじ ろさんじん
作者(英語)KITAOJI Rosanjin
制作年不詳(1938–40年頃と推定)
サイズH21.5㎝
解説径が40cmもある大ぶりの鉢。その内外の両面に椿の花と葉が絵付けされている。
花は太い線で円を描くように一筆書きされ、葉は絵の具のむらや溜まりによる自然な濃淡がそのまま生かされている。一見、無造作な描き方だが、列をなす雄しべ、くっきりした葉脈といった椿の特徴はきちんと押さえられている。いわば椿のエッセンスが闊達な筆法でとらえられ、図案化されているのである。また、単純化された花や葉はそれぞれ赤、白、黄、緑の色面となって器面に配置され、鮮やかな対比と調和を生んでいる。
書、篆刻(てんこく)、漆芸、料理など多方面で活動した魯山人が本格的に作陶を開始したのは40代半ばになってからのことである。同時代の陶磁器に満足できず、自らの料亭で使用する器を求めてのことであった。古陶磁を広く収集し、制作の手引きとしたが、とりわけ琳派を代表する陶芸家・尾形乾山から多くを学んだといわれる。本作にはその成果が存分に生かされている。(M.T)

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