花器 銘 金彩象嵌「光琳」

タイトル花器 銘 金彩象嵌「光琳」
作者黒木 国昭
作者(よみ)くろき くにあき
作者(英語)KUROKI Kuniaki
制作年不詳
サイズH35.7cm
解説黒木国昭は西洋のガラスに日本の伝統的な美意識を融合した作品により、海外でも高い評価を得ている作家である。1972(昭和47)年から取り組む「光琳・琳派」シリーズは、その代名詞的存在であり、本作はその一点。
立体的なうねを持つ首、装飾的な突起を持つ取っ手など、器の形状には、ヴェネツィアのガラスからの影響がうかがえる。随所に埋め込まれた花模様のパーツも、「ミッレフィオーリ」(千の花)と呼ばれるヴェネツィアの伝統技法によるものである。
器面の装飾には琳派へのオマージュと独自の継承が見られる。金箔やプラチナ箔、多彩なガラス片を溶着した華麗な文様は尾形光琳の装飾世界を連想させるものである。一方、表面の装飾の内側に金箔の地模様が透けて見える重層的な効果は、「現代の名工」にも表彰された卓越した技術を持つ黒木ならではの、ガラスの透明性を生かした新機軸であるといえるだろう。(M.T)

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