赫不動明王図

タイトル赫不動明王図
タイトル(よみ)あかふどうみょうおうず
タイトル(英語)Fudo Myo-o(Acala)
作者棟方 志功
作者(よみ)むなかた しこう
作者(英語)Munakata Shiko
制作年1944(昭和19)年
サイズ57.7×68.6cm
解説右手に宝剣、左手に羂索(けんさく)を持ち、目をかっと見開く不動明王像。赤々と燃えるような彩色が全面に施され、激しい怒りが伝わってくるようである。
「昭和壽宇玖年 大勝軍祈念 初筆 志功」と書き込まれていることから、1944(昭和19)年の年頭に戦勝を祈願して描かれたものと思われる。この時はまだ東京に留まっていたが、翌年4月には富山県へ疎開。5月25日の大空襲により代々木の自宅が被災し、板木や作品のほとんどを失うのである。
不動明王像は志功が好んだ主題である。1936年、初めて本格的に仏教のテーマに取り組んだ《華厳譜》(24点組)にも《不動明王の柵》が含まれていた。
「お経に出てくる仏だけでは自分の想う華厳になりきれない気がして、不動とか風神、雷神など密教的な諸仏諸神も入れて板画の世界を織り成そうとした」(『板畫の道』、1956年)。
《不動明王の柵》は単体でも頒布されるなど人気となり、志功はその後、繰り返し、不動明王像を制作している。(M.T)

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