帰路
| 収集方針 | 新潟の美術 |
|---|---|
| 分類 | 洋画ほか |
| 作家 | 佐藤 哲三 SATO, Tetsuzo 1910~1954 |
| 作品名(英文) | On the Way Home |
| 制作年 | 1954年(昭和29) |
| サイズ | 27.0×60.0 |
| 技法・素材 | 油彩 キャンバス,油絵具 |
| 解説 | 前年に自身生涯の代表作といえる《みぞれ》(1953年)を病躯を押しつつ4箇月を要して仕上げた作者ですが、力尽きたのか本作を完成させるとすぐにこの世を去りました。病魔と闘い《みぞれ》と対峙した作者は、本作を描きはじめた時には、おそらく自身の運命を悟っていたのかもしれません。ヴァーミリオンの毒々しい色彩と、激しく大胆な筆触で、画面を覆い尽くすように夕陽の光が描かれていますが、その表現は不自然なほど絵具を厚く、幾重にも塗り上げられており、遠景であるはずの夕陽は、近景に位置するはさ木の枝までをも浸食し同化するばかりか、幹を伝って自転車で帰りを急ぐ人々までを燃やし尽くすように赤く照らしています。一見すると灼熱の世界のようですが、その太陽の光を享受できる人々の姿こそが、作者の感じた生命力の具現化であり、作者自身の憧憬だったのかもしれません。 |
