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釈尊一代記
| 収集方針 | 日本の美術 |
|---|---|
| 分類 | 日本画 |
| 作家 | 桐谷 洗鱗 KIRIGAYA, Senrin 1877~1932 |
| 作品名(英文) | The Life of Shakamuni |
| 制作年 | 1915年(大正4) |
| サイズ | 41.8×76.0~128.7 |
| 技法・素材 | 絹本彩色 |
| 解説 | 「全体」(蓮葉) 釈迦の生涯を伝える物語のうち、人間界に降りてから悟りの直前である「降魔(ごうま)」までの様々な場面が、全5巻16図に詞書とともに描かれています。いずれも細かい部分まで色鮮やかに描きこまれており、大変華やかな作品。桐谷洗鱗は仏教を主題とした作品を多く残しましたが、本作は彼が初のインド旅行を終え、本格的に仏画の制作をはじめた最初期の貴重な作例です。 「霊夢」 天上での修行を終えた釈迦は白象の姿となって人間界に降臨します。この時、母となる王妃マーヤー夫人が横になっていると、6つの牙を持つ白像が天から来て、右の脇腹より胎内に入る夢を見たと伝えられています。白象を担いだ一団と大勢の天女らが雲に乗り、地上に降りてくる様子が描かれています。 「誕生」 お産を控えたマーヤー夫人はルンビニー園という花園で、深紅に咲くアソーカの樹の一枝を手折ろうとします。すると、その右脇腹より釈迦が産まれました。花が咲き乱れ鳥が歌う中、多くの従者からの祝福に包まれた釈迦が描かれます。この後すぐに釈迦は東に向かって七歩進み、右手を上に、左手を下に「天上天下唯我独尊」と唱えます。 「観相」 釈迦の父である王は息子の将来を占うよう命じます。その結果、王位に就けば全世界を支配する王となり、王位を捨てて修行をすれば悟りを得て世の人々を救う者となる、と告げられます。3人のバラモンがまだ幼子である釈迦を占う様子と、喜びとともに息子が出家の道を選ぶ不安にかられる王の姿が描かれます。 「三時殿」 王によって釈迦には3つの宮殿が用意され、暑さ寒さの厳しさも、雨の冷たさも知ることなく、極めて恵まれた暮らしを送ることになりました。玉座に座り、頭上に白い天蓋を差しかけられながら宮女の演奏と舞踊を眺める釈迦の姿が描かれます。 「四門遊」 王城には東西南北の各門があり、そこから釈迦が出かけて行く場面。豪奢な馬車に乗り、大勢の従者を従えた姿が描かれます。王は息子がこの世の苦を目にしないよう、道中を楽園のように装飾させましたが、釈迦はこの後、世の中の様々なできごとを目の当たりにし、衝撃を受けます。 「老病死」 釈迦は王城の外で老人、病人、死者を目にします。人間は誰しも老い、病み、最後に死を迎えることを知り悩みますが、最後に修行者に出会い、出家を望むようになります。杖を手に腰を下ろす老人、やせ衰え苦しむ病人、葬送の列とともに、画面中央には仏衣をまとって合掌する修行者の姿が描かれます。 「宮女沈眠」 釈迦の出家を思いとどまらせようと、王は宴を催します。釈迦は着飾った美しい宮女の舞と音楽に退屈して眠ってしまいましたが、ふと目を覚ますと、宮女達がだらしない姿で寝ています。それを見た釈迦はますますこの世の欲望から離れたいという思いを強めました。釈迦の姿はなく、楽器を放り出して眠る宮女達が描かれます。 「哀別」 釈迦には妻と生まれたばかりの息子がいましたが、いよいよ出家の決意をします。旅立ちの晩、覚悟が鈍らないよう、二人を起こして別れを告げることはしませんでした。すやすやと眠る母子を、釈迦が柱の陰からじっと見つめて別れを惜しんでいる様子が描かれます。 「出城」 夜中、釈迦は愛馬カンタカと従者だけを従え、誰にも気づかれないように王城を出ます。29歳のことでした。この時、王城は深い眠りに包まれ、北の門は音も立てず自然に開いたとされます。静けさの漂う闇の中、釈迦が城を出る強い覚悟を従者に伝える様子が描かれます。 「入山」 王城を出た釈迦が夜通し馬を走らせ、明け方、修行の場である山の麓にたどり着いた場面が描かれます。ここで釈迦は馬を降り、長い髪を切り、着物を脱ぎ、高価な装身具も外しました。従者にそれらを城に持ち帰るよう命じ、愛馬とも別れます。 「僊居参問」 釈迦は数多くの出家者の中から高名な仙人を訪ね、修行をはじめます。すぐに師と同じ境地に達したとされますが、それに満足することなく、彼らの元から立ち去ります。木立の中、釈迦が結跏趺坐を組む老仙人の前に立ち、教えを乞う場面が描かれます。 「苦行林」 釈迦は修行者が多く集まるウルヴェーラの林に入り、激しい苦行をはじめます。断食や不眠など、肉体を痛めつけることによって精神的解放を得ようとする修行者たちの様子と、彼らを見つめる釈迦の姿が描かれます。 「前正覚山」 6年に及ぶ苦行によっても救われなかった釈迦は、修行林を出ます。前正覚山とは、インド北東部の聖地ブッダガヤの東にある岩山。修行の場であったその山を背景に、釈迦と、苦行を共にした5人の修行僧が歩いています。 「乳糜供養」 苦行によって痛めつけられた体を木陰で休める釈迦に、村娘スジャータがうやうやしく乳粥を捧げています。5人の修行僧は苦行をやめた釈迦に軽蔑の眼差しを送っていますが、釈迦の頭には金輪が現れています。この後、釈迦は手前を流れる河で水浴し、瞑想に入ります。 「降魔」 菩提樹の下で瞑想する釈迦の悟りが近いことを知った魔王は、様々な妨害をしかけます。魔女の誘惑に心を動かさない釈迦に、次は悪魔の武力を用いましたが、釈迦の体が傷つけられることはありませんでした。嵐の中、魔物たちに囲まれた釈迦が煩悩に打ち勝つ瞬間が表現されています。 |
| 作品番号 | JP0257 |
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