略歴・解説
安積中学校、早稲田大学国漢文科卒業。安達・会津・保原などの各旧制中学・高校の教諭を歴任。その傍ら創作に精進し、昭和16年処女作「国土」が毎日新聞懸賞小説に当選。さらに『東北文学』1号に発表した、安達町上川崎の和紙漉きを主題とした「和紙」が第18回芥川賞を受賞、『文藝春秋』昭和19年3月号に転載されて一躍脚光をあびた。のち、福島県文学会長・県文学賞審査委員として後進の指導に尽力。昭和53年4月、二本松市観音丘陵遊歩道の成田園地に「和紙」の自筆原稿の一節を刻んだ文学碑が建立された。
【通称など】(本名)野辺慎一