上杉旱虎書状

よみウエスギテルトラショジョウ
資料ID35032
時代110
解説上杉旱虎(のちの謙信)が喜平次(のちの景勝)に宛てて送った書状。大きな文字で、ていねいに書いている。漢字ばかりではなく、平仮名も多く、相手は子どもであると思わせる。内容としては、「心のこもったお手紙、とくにお守りありがとう。こちらの陣があけたら春日山に帰っていろいろお話ししましょう」、さらに追伸として「お手紙を喜んでいます。習字の腕がいよいよ上達したので、お手本を送ります」といったものである。景勝が春日山から出陣中の謙信に書状と守巻数を送り、そのことに感激した謙信が御礼の手紙を返したものといえる。さらに手紙のなかでは、習字の腕が上達したので手本を送ると約束されている。戦乱に関わる古文書が多い時代のなかで、大変に優しい内容といえる。なお、米沢市上杉博物館の「仮名手本伊呂波尽」がこのときの習字手本と考えられている。

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