経歴 | 1938年(昭和13)、長崎県五島列島の奈留島に生まれる。時折、島に訪れる画家の姿にあこがれ、10代の頃から独学で絵を始める。1954年(昭和29)、日本キリスト教団・長崎教会に通い、クリスチャンとなる。1957年(昭和32)、高校卒業とともに上京、阿佐ヶ谷美術学園に入校。この年、第25回独立展に《長崎のみやげもの屋》を出品し、初入選。以後、独立展を中心に発表する。1959年(昭和34)からペインティングナイフで大胆に絵具を扱った抽象画を描く。1965年(昭和40)、練馬区石神井公園のそばにアトリエを構える。1974年(昭和49)からは一転して、生まれ故郷を思わせる海景の前に頭部のないマネキンがたたずむ内証的で静かな画風となる。1983年(昭和58)、第51回独立展に《旅序章》など出品し、独立賞を受賞。翌1984年(昭和59)、第52回独立展に《春序章》などを出品、これにより独立美術協会の会員に推挙される。1989年(平成元)からは、戦争と平和をテーマに「昭和史」シリーズを発表。2000年(平成12)からヨーロッパの町並みを俯瞰した「天使の連作」シリーズを発表する。1989年(平成元)、紺綬褒章を受章。2006年(平成18)、笠松宏有回顧展(東京セントラル美術館)が開催される。 |