業平観梅

だいめいなりひらかんばい
作者服部有恒 はっとりありつね
作った年1930s
分野(ぶんや)郷土の美術
ざいりょう、ぎほう紙本着彩 
たて×よこ×はばcm147.0 x 146.0
説明(せつめい)昔の日本のきぞくのかっこうをした男の人が左にすわっています。だ円形の太いまゆげは、本物のまゆげではありません。まゆげをぬいたりそったりしたあとで、手でかいた「けしょう」です。男の人は右のほうを向いて、何かを見ています。絵の右がわには、ピンク色の花とつぼみがついた木のえだが、少しだけかかれています。どうやら梅の木がさき始めているようで、だいたいの季節がそうぞうできます。

絵の全体をながめてみると、半分以上が「よはく」で、何もかかれていません。作者はこの「よはく」に、もっと色をぬったり、まわりの風景をかいたりすることもできたはずです。でも、そうしませんでした。男の人も、絵のまん中にはかきませんでした。

この絵の題名は「なりひらかんばい」と読みます。「なりひら」はこの男の人の名前で、在原業平(ありわらのなりひら)という平安時代のきぞくのことです。和歌の名手として、昔から尊敬(そんけい)されていました。硯台(けんだい)という、字を書くときの道具をおく赤い台が、業平(なりひら)の前にあるのがちらっと見えます。「かんばい」とは、梅をかんしょうすることです。

*作った年の「1930s」は「1930年代(ねんだい)」という意味です。
一般向け作品情報http://jmapps.ne.jp/ncam/det.html?data_id=4

PageTop