菖蒲に鋏鼈甲細工 飾櫛・笄

制作年代江戸時代(19世紀)
員数1組
素材・技法等鼈甲
大きさ(単位cm)櫛:w13.3 笄:w25.7
収集年度1972
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号00678
作品解説 平安時代以来、長らく垂髪が主流であった女性の髪形は、江戸時代になって再び結髪の時代を迎える。はじめは異国の風俗や男性の模倣から始まったが、次第に技巧的になり髷の種類は数百に及んだといわれている。こうした髪形の変化にあわせて髪飾りも発達した。
 象牙、漆、銀、ガラスなどさまざまな素材の髪飾りが作られたが、中でも鼈甲の髪飾りは格別のものであった。櫛は貞享・元禄(1684―1704)頃から、簪は享保(1716―36)以降に流行し、明治時代に至ってもその人気は衰えなかった。江戸後期には斑なしの透明なものが上質とされたが、黒い斑の入ったものや蒔絵を施したものも残っており、時代によって流行があったようである。
 人気とはいえ高価であったため誰もが入手できたわけではなく、代用品として馬爪や水牛の爪で作ったイミテーションのものが盛んに製造されたという。
 この鼈甲を用いた髪飾りは菖蒲の花束に鋏を添えて、今しがた摘み取った風情の細工になっている。

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