月に薄文様 帯

制作年代江戸時代(19世紀)
員数1筋
素材・技法等白繻子地 繍
大きさ(単位cm)W24.5 L375
収集年度1972
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号01900
作品解説 白の繻子地に金糸の駒繍で薄を表し、その薄に囲まれた部分でもって月の満ち欠けをかたどる。文様はシンプルだが、そこにひねりを効かせて、見飽きることのない帯になっている。
 薄野原の月という秋の風情あふれる風景だが、こうした文様は「武蔵野文様」とも称される。文様の背景には、『続古今和歌集』巻第四・秋歌上にある源通方の歌、
武蔵野は 月の入るべき嶺もなし 尾花が末に かかる白雲
で、これを本歌にした俗謡的和歌を通じて武蔵野図の主題が広まったといわれる。
 「月と薄」は、よくある秋の風物であり、すべて「武蔵野」の歌を意識していたとは限らない。そうでいながら「武蔵野」と名づけるのは、歌が作り出す武蔵野のイメージを、この組み合わせが端的に表現しているところによるのであろう。

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