亀甲に牡丹折枝文様半尻

制作年代江戸時代(19世紀)
員数1領
素材・技法等萌葱二陪織物
大きさ(単位cm)丈107.0 裄83.0
収集年度1979
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号02825
作品解説 見るとおり、形は全く狩衣であるが、小型であり後身の裾を短くして歩行しやすく仕立てている事から「半尻」という。正式には半尻の狩衣といい、別に童形ともいう、要するに少年の装束のことである。近世、親王以下、堂上以上の家の公卿の子息が、三、四歳頃に深曽木という幼髪をそぐ祝いや加冠(成人儀礼)に着用した。
 深い緑色の地に、亀甲文様を浮織で表し、更に上文として折枝牡丹文を散らすという手の込んだ二陪織物を用いて作られている。裏地は紫色の平絹で、表が濃い緑色とのかさねの色目には、例えば「松重」が考えられよう。袖の括り緒は紅と白の撚紐を毛抜き形に置き、赤と緑の菊糸花を三つずつ並べた華やかな置括りであるが、これも半尻の特徴。
 大谷光勝所用として伝えられてきたが、正しくはその兄、光浄(寶如)が文政7年に得度した際に新調したものと見られる。東本願寺の門主は近衛家の猶子となるしきたりで、このため近衛家の紋である牡丹にちなむ文様をつけている。これと揃いになると思われる指貫として、亀甲の地紋に臥蝶丸の文様の入った浮織物のものがある。この組み合わせは次期門主のみが身につけたもので、連枝(門主の兄弟)ならば亀甲紋のみの指貫を使用したのである。

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