菊大紋紺松皮菱梅竹文様 被衣

制作年代江戸時代(18世紀)
員数1領
素材・技法等薄浅葱平絹地 染
大きさ(単位cm)丈143.0 裄61.0
収集年度1972
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号01877
作品解説 褪色しているためにほとんど白色に見えるが、本来の地色はごく淡い浅葱色であったと思われる。この地に肩から裾へ、梅花を散らす段と熊笹の葉の段を交互に配する。裾部分に紺で染め上げられている菱形の文様は、松の皮をはがした形に似ているところから「松皮菱」と呼ばれるもの。「松皮菱」、「熊笹」、「梅花」とそろって、「松竹梅」の吉祥文様となっている。
 被衣は外出時に顔をあらわにしないために女性が頭から被ったもので、江戸時代の初めには広く使われていたようだが、江戸においてはこの風習は万治の頃に廃れたらしい。
 一方、京都では「天明の頃迄は家柄の町人腰元つれしほどの女房、年礼あるひは大礼にかずきを著たり」といい(『近世女風俗考』)、町方の富裕層も含めて被衣の使用が続いていたことがうかがえる。享和2年(1802)序文の随筆『賤のをだ巻』にも「…京都にては今に歩にてありく女は、かづきを著るなり」とあって、京都には長く残った風習であったことがわかる。
 公家の間で使われた御所被衣では材質や文様のきまりがあった。それに対して町被衣は色も文様も自由であったといい、本領も町方のものかと思われる。

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