几帳に桐文様 帷子
| 制作年代 | 江戸時代(18世紀) |
|---|---|
| 員数 | 1領 |
| 素材・技法等 | 黒麻地、染、繍 |
| 大きさ(単位cm) | 丈155.0 裄60.2 |
| 収集年度 | 1972 |
| コレクション | 吉川観方コレクション |
| 所蔵品番号 | 01883 |
| 作品解説 | 几帳の合間を縫うように立ち上る桐の木。几帳の布部分の模様は檜垣(網代垣)にも見えて、庭に植えられた桐が垣の上に枝葉を広げているふうにも見ることができる。 時代を経て輝きを失ってはいるものの、作られた当初は糸太い刺繍が黒地に映えてひときわ華麗であったことだろう。几帳に王朝風俗を連想し、さらに『源氏物語』を連想することができれば、この文様が『源氏物語』の「桐壺」巻を暗示していると読み解くことができる。古典文学への関心、知識やイメージの定着がどこまで進んでいたかを考えさせる表現である。 寛文小袖の名残とも見える左腰のわずかな空白や、全体に広がる大柄な文様、さらに几帳の柱や桐の幹・葉にほどこした大粒の摺疋田は、いわゆる元禄小袖の特色に通じるもので、本領も元禄(一六八八~一七〇三)頃の帷子であろうと考えられる。江戸時代前期の寛文小袖に見られた颯爽として動的なデザイン感覚は下火となり、次の元禄の泰平と豊饒の時代を連想させるような、絢爛豪華な印象へと移行していく。 |