梅扇面散らし菊に薊文様 小袖

制作年代江戸時代(18世紀)
員数1領
素材・技法等薄浅葱縮緬地 染
大きさ(単位cm)丈140.0 裄59.5
収集年度1972
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号01854
作品解説 地色を浅葱にして、右腰を底辺にして左腰を越させた先に頂点を置いた三角形に染め分け、接点に白を置いてぼかす。浅葱の部分が水辺とすれば薄茶の砂浜に打ち寄せる波という風情だろうか。岸の菊は垣に咲き乱れ、水辺には扇を浮かせて、その合間には薊が群生するという珍しい意匠である。扇面部分には梅枝と、雲取りの中に七宝や麻葉などの幾何学文様が施される。
 貞享年間から流行をはじめた友禅染は、本来扇絵師・宮崎友禅のデザインを小袖に応用したものであったが、次第にそれを表現した糊伏せと色挿しによる染色方法を指すようになった。友禅染の完成は、小袖の上に繊細な絵画的表現を施すことを可能にし、以後長く小袖の染色技法として使われることになった。本領も、友禅染の特徴である精密な絵画的表現を最大限に生かしたものといえよう。今でこそ色あせたせいか地味な印象に見えるが、摺匹田、刺繍、色挿しのバランスが絶妙で、江戸時代中期の豊かな小袖文様の時代を想像させる。
 なお、袖は振袖を切っていわゆる振切留袖としたもの。

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