見返り美人図

作者菱川師房 HISHIKAWA Morofusa
制作年代江戸時代(17世紀末頃)
員数1幅
素材・技法等絹本著色
大きさ(単位cm)83.2×30.8
収集年度1972
コレクション吉川観方コレクション
所蔵品番号00082
作品解説 菱川師房は、浮世絵の祖として知られる菱川師宣(?-1694)の長男で、絵師として活躍したが、後に紺屋(染物屋)へ転身したと伝えられる。
 本図では、左手で着物の褄を取り、右手は袖の中へ隠し、素足で歩を進めながら振り返る女性を描いている。女性はやや腰を落した柔らかな物腰で、視線を下げ、しとやかな姿に表されている。
 着物は薄紅地に色紙形を散らし、その中に伊勢物語の芥川の段・東下りの段などの王朝物語や雲に亀甲繋ぎ文様を白描で繊細に描いている。これに水色・紺色を合わせた配色は派手さを抑えたもので、僅かに覗く裏地の紅色で鮮やかさを添えている。
 女性の優美さを表現しており、その後間もなく18世紀初期に活躍する懐月堂派などの逞しい生命力ある美人画と比較すると、本図の特徴が一層明らかとなる。

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