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貝貨の婚資(アクワラ アフ)

資料番号Ⅵ-70-N
材質貝ビーズ、ビニールひも、木の板、木の実、布、木
地域オセアニア
国名ソロモン諸島
地名マライタ島 ランガランガ・ラグーン BULABU村
民族名ランガランガ
収集者今泉隆平
コレクション名今泉コレクション
資料解説 マライタ島中西部の人工島に暮らすランガランガの人びとによって製作され、マライタ島北部やガダルカナル島で使用される貝ビーズ製の財貨。ソロモン諸島の一部の島々では、結婚するときや紛争を収めるときに貝殻を加工して作られた財貨(貝貨)が集団間でやりとりされる。
 「アクワラアフ」は赤・白・黒・橙の4種類の貝殻を直径0.5~1センチほどのビーズ状に加工して紐に通したものである。10連で長さ2メートル以上になるこの貝貨は、マライタ島北部では「タフリアエ」、ガダルカナル島北岸部では「サウザンガヴル」と呼ばれる。
 アクワラアフをはじめ、大量の貝ビーズを紐に通して作られるソロモン諸島の南東部の島々の貝貨は、その末端に赤い布が取り付けられている(かつては赤い鳥の羽根だったという)。赤い布は血を象徴するものだといわれる。ソロモン諸島の一部の島々でみられた報復殺人の論理を下支えするのは、傷害・殺人などの流血沙汰で被害者側集団が流した血と同じだけの血を加害者側も流さなければならないという等価交換の原則である。流血を伴う暴力の連鎖を断ち切るためには必ず、血で償う代わりに貝貨を贈らなければならないのである。
資料解説記述者藤井真一(国立民族学博物館)・2025年度Innovate
Museum事業

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