投げ棍棒 (ひだ状ヘッド)

資料番号Ⅵ-125-N
材質
地域オセアニア
国名フィジー
民族名フィジー
収集者今泉隆平
コレクション名今泉コレクション
資料解説 イ・ウラは片手用棍棒の総称で、多くは投擲目的で用いられた。おもに打突部の形状により数種類に分類される。戦士は腰巻にかならず一本ないし二本のイ・ウラを差し、最も好んで使用したとされる。イ・ウラは回転しながら飛び、重い頭部で敵を打ち、威力は凄まじく、19世紀当時のヨーロッパ人たちの記録には人々がこの武器をとくに恐れた様子が残る。
 本資料イ・ウラ・タヴァタヴァは、打突部の側面全面に彫られた鋸歯状のギザギザ(タヴァタヴァ)に由来する名称を持つ。一木造りで、打突部の先にはドーム型の彫刻があり、三段構成のギザギザ部分は中央部の谷に上下の山が入りこむという典型的形状を示す。これらは打撃効果を狙うと同時に、女性器を象るともされ、性的象徴はフィジー戦闘具にしばしば見られる。柄は円状で、下部に浮彫技法で彫られたギザギザの装飾は滑り止めの役割を果たしたと考えられる。さらに柄中央には短い線が12本刻まれ、敵を倒すごとに刻まれた印だと考えられるが、通常は打突部のすぐ下に刻まれるため妥当性には疑問が残る。同様の印は資料VI-124-N(イ・ウラ・ンドリジア)にも見られ、こちらには10本の短線が5列、計50本がぐるりと柄の中央部に刻まれている。
資料解説記述者渡辺文(同志社大学)・2025年度Innovate
Museum事業

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