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サメ漁具(浮きと輪縄)

資料番号Ⅴ-96-N
材質木、植物素材(籐)
地域オセアニア
国名パプアニューギニア
地名ニューアイルランド州
民族名不明
収集者今泉隆平
コレクション名今泉コレクション
資料解説 ニューアイルランドに特有の漁法「鮫招き」にて使用される漁具一式。
 サメ漁具(浮きと輪縄)(資料番号Ⅴ-96-N)は、軽軟な一木の浮きと藤製の輪縄を組み合わせた漁具。浮きの中央部分を刳り貫き、輪縄を通している。輪の反対側には、浮きが外れないように木片が括り付けられているほか、折り曲げた籐を結び付けた持ち手が設けられている。浮きは全体的に白色で彩色されているほか、片面の両端には彫刻が施されており、1つの多重菱形文と2つの多重三角形文を組み合わせた文様が確認できる。前述の漁具の音に誘き寄せられた鮫に輪縄をかけて締め上げ、棍棒で仕留める。なお、本資料には海水が染みることによる変色などは認められないことから、実際に使用されることはなかったものと推測される。
 サメ招き道具(資料番号Ⅴ-96-N 2/2)は鮫を誘き寄せるための漁具。ココヤシの殻の上端と下端から切り出したリングを向かい合うように組み合わせて籐に通し、環状にまとめている。本資料には10組のリングが通されている。海中でこの漁具を揺らすと、ココヤシの殻がぶつかり合うことでカタカタと音が鳴り、水鳥が小魚を襲う音と勘違いした鮫が浮上してくるという。
 当地では鮫は神話の時代において人間と非常に密接な関係性を有していたと考えられており、捕らえられた鮫は人間として丁重に扱われる。鮫招き漁は儀礼と密接に結びつく漁であり、女性や未婚の男性は参加できない。鮫招きを成功させるため、漁に向かう者は女性との性的接触や女性が調理した食事を口にすることがタブー(禁忌)とされる。
資料解説記述者臺浩亮(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティチュート共同研究員)・2025年度Innovate
Museum事業

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