合併問題 その7
| 資料グループ | 広報さしき 第314号(2003年9月) |
|---|---|
| ページ | 8-9 |
| 発行年月日 | 2003/09/10 |
| 内容コード | G000000798-0009 |
| 記事内容 | 行ってきました! 先進地視察兵庫県篠山市 養父郡合併協議会 合併先進地の取り組み状況と経過を参考にしよう佐敷町合併研究会(與那嶺紘也委員長)のメンバー5人は7月7日から9日にかけて、兵庫県養父郡合併協議会と同県篠山市へ合併先進地視察に行きました。 ★両市町の担当者が共通して説明していたのは…条例と電算は調整に多くの時間がかかるため早急に取り組む必要がある。そして、首長の強固なリーダーシップと助役と総務課長のサポート体制が不可欠であり、合併は町村の損得を考えるのではなく新市にとってどうなのかを考えるべきである。 「合併」って簡単に言うけど…市町村合併までには、たくさんのやるべき作業・協議があるのです。 今回は、市町村が合併する場合、合併までにやらなくてはならないことについて紹介します。 その主な事項は、①新市建設計画の策定、②合併協定項目の協議、③事務事業の一元化、④新例規の策定、⑤電算システムの統合ということが挙げられます。そのほか、住民の皆さんの意見をお聴きしたり情報を提供したりするため、広報紙の発行、ホームページの開設、住民説明会・シンポジウム・講演会の開催などが必要になってきます。 その①~⑤について少し詳しく見てみましょう。 ①新市建設計画の策定 新市建設計画は、合併後のまちづくりのあり方や方向性などを計画するものです。作業の中で住民の皆さんを加えたワークショップを開いたり、専門家の意見を聞いたりして「合併後はこんなまちにしたい」「こんなふうにしたら地域が発展するのでは」ということを議論します。その結果、合併後の地域の将来像が明らかになってくるのです。また、各町村がこれまで進めてきた計画・構想も、合併するからといってまったく白紙に戻すべきではありません。各町村のこれまでの計画・構想を持ち寄り、必要なものを結びつけ更にダイナミックな構想にしたり、重複するものや必要がなくなるものを削ったりして、将来に希望のもてる計画にすることも重要です。 また、合併したら同じ一つの市民になるのですから、地域によって分け隔てすることなく、バランスのとれたまちづくりを進めることも肝に命じる必要があります。 ②合併協定項目の協議 市町村が合併するには、各町村間で決定しておくべき約束があります。その約束事について話し合い、決定することが合併協定項目の協議になります。若い男女がいくら惹かれ合っていても「いつ結婚する」「新居はどこにする」「絶対に浮気はしません」などの約束がなければ、結婚に踏み切ることはなかなかできません。 合併協定の項目には・合併の方式(対等合併にするか編入合併にするか)・合併の期日(いつ合併するか)・新市の名称(何という名前にする?)・事務所の位置(本庁舎をどこに置く?)などの重要項目をはじめ、全部で50項目前後あると言われています。これらの合併協定項目は法定合併協議会の中で協議・決定されますが、各町村間で利害の対立などもあり、なかなか簡単には決定できないのが普通です。ですから、町村間である時は相手を説得したり、場合によっては譲歩したりと、時間をかけて根気よく話し合うことが求められます。 また、合併協定の中では「税金の税率・使用料の料金はどうする」ということも協議されます。そこで住民の皆さんの意見・要望も十分に反映させることが大切になってきます。 ③事務事業の一元化 各町村の役場は、これまで別々の組織として事務を進めてきたわけですから、事務全般にわたってやり方に違いがあります。たとえば、申請用紙の様式や税金の徴収の仕方など、合併したら同じ方法で事務を進めていくことになるので統一する必要があります。それは役場の事務全般に及ぶので、項目にしてなんと1,500項目もあると言われています。これら膨大な事項のすり合わせを、各役場職員がほとんど総動員で作業することになります。 住民の皆さんの中には「役場の事務の問題だから自分には関係ないや」なんて言う方もいるかもしれません。しかしその事務のすり合わせ作業がうまくいっていないと、住民サービスヘの対応に支障をきたすなど、住民の皆さんにご迷惑をおかけする事態も起こってくるのです。 ④新例親の策定 各町村では、それぞれその地域だけに適用される条例・規則・規程・要綱などいわゆる「例規」を定めて行政を運営しています。合併に伴って、新しい市の「例規」を策定しなければなりません。例規は住民の皆さんの権利・義務に関わるとても重要なものですので、慎重かつ十分な議論での策定が求められます。各町村の例規は、その地域性などによりそれぞれ特徴があるので、それを一本化する作業は多くの根気と時間を必要とするものになります。 ⑤電算システムの統合 今日のコンピュータ社会の中で、各町村の役場でも多くの分野でコンピュータを導入して情報化を進めています。 これも合併に伴ってシステムの統合が必要になってきます。町村間でシステムがバラバラだと、各庁舎間でうまく情報の受け渡しができなかったりするなど不都合が出てくるのです。また委託業者も一カ所でないと予算的にも経費がかさむと思われます。 電算システムの委託業者の選定、必要なシステムの構築、様式の統一など多くの時間を要する作業が予想されるのです。 以上のように、市町村が合併する場合には多くのやるべき作業・協議があります。そしてその中で最も重要なことは、合併やその後の新たなまちづくりは住民本意のものでなければならないということです。住民の皆さんの意見・要望を最大限に活かしたいと考えていますので、どしどし各町村の役場か合併協議会までお寄せください。 佐敷町・知念村・玉城村・与那原町任意合併協議会 事務局:TEL948-3051・3052 佐敷町役場 総務課:TEL947-6211 |
| PDFダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1fNuG75dclZ_TJ5Tc50sAboXT3EEQyrUz |
・このサイトでは、旧町村(佐敷町・知念村・玉城村・大里村)の広報に掲載された記事を順次公開していきます。
・図表内のテキストは検索することができません。
・一部テキストについては、個人情報等保護のため非公開としています。
・本サイト内のデータは、CCBYで提供しています。
【管理・運営】南城市教育委員会 なんじょうデジタルアーカイブ