くしゆっきい 58
| 資料グループ | 広報さしき 第141号(1989年4月) |
|---|---|
| ページ | 5 |
| 発行年月日 | 1989/04/10 |
| 内容コード | G000000576-0016 |
| 記事内容 | くしゆっきい(腰憩い) たびたび若い世代から「くしゆっきい」とは何のことですか、と聞かれることがある。その都度わたしも新人類(?)で、後で調べてお答えしますとその場はお茶をにごしてきている。 「くしゆっきい(腰憩い)」は腰を休ませるの意昧で、戦前は主として農村での製糖期、大豆の植え付け、田植えが済んだ時期からホット一息抜く、旧3月から4月ごろにかけて1日仕事を休んで楽しく過ごした年中行事の1つであった。 『沖縄文化史辞典』によると、昔、首里の郊外、久場川村の安里という農家で作物の植付けが済んだころ、重人が下男下女に酒肴をつくり日頃の労をねぎらっているところを王が通りかかり、そのわけを聞き、いたく感激して、早速農村行事として広めさせたのがその起源だとされている。 他村他字のことは知らないが、私の住む所では昔からの行事そのままで行なわれている。戦前はその前年に農事があった家か、大きな家を新築した家にお頼いして会場にしていた。 現在は雨天でない限り、班の遊び場を会場に戦後もずっと続いている。班の全員の慰安、親睦、お互いの心のふれ合いのかよった楽しい行事である。 歌舞音曲が始まると、自分の座から時計回りかトラック回りでつぎつぎと全員舞わなければならない。私の様な舞い下手の者は、自説「蚊取り線香舞い」といって蚊を追い払う仕事で舞って茶化してすます。文句、難クセをつける者もいず、全員が和気アイアイ。この様な昔からの良俗、美風はこれからも残していきたい。(平良亀順) |
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