日本書紀 神代紀 下巻

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「むこうしの文化遺産」13 日本書紀 神代紀 下巻

資料名(ヨミ)「ムコウシノブンカイサン」13 ニホンショキ ジンダイキ ゲカン
解説国指定重要文化財 向日神社所蔵 
紙本墨書(しほんぼくしょ) 縦21.1㎝・横15.0㎝ 南北朝期

 奈良時代に編纂された日本最古の勅撰の歴史書『日本書紀』30巻のうち、巻第2、神代下1巻分の写本。古くから「六人部(むとべ)本」と呼ばれ、延喜4年(904)の奥書があることで知られている。ただし筆致から、奥書もふくめて南北朝期ごろに筆写されたものとみられている。
 本文には押界線(おうかいせん)が施され、1ページ6行、1行に14字前後を筆写する。墨書で傍訓(ぼうくん)・返(かえ)り点・連続符などを加えるが、点や線で読みを示すオコト点はみられない。厚手の楮紙(こうぞし)を料紙とし、本紙と共紙の表紙も合わせて64紙を、2つ折りした紙の外側を糊付けする粘葉装(でっちょうそう)で1冊にする。現在、写本を収める三つ折れの帙(ちつ)が付属する。また本書にある虫損の穴まで書き写した添本1冊がある。
 この写本が向日神社に伝来する由緒は不明であるが、神職六人部家は江戸時代後期の国学者として著名な是香(よしか)をはじめ、代々学者の家系でもあり、江戸時代の向日神社が祭神としていた鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)など神々が登場する巻であることから、研究のために入手したものかもしれない。

(向日市文化資料館開館25周年記念特別展「むこうしの文化遺産―みぢかな歴史のモノがたり」図録より)
※平成21年(2009)10月31日発行

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