長江晴楼図

TitleLandscape with a Castle
作家名橋本雅邦 HASHIMOTO Gaho
技法・素材彩色、絹
circac.
制作年1895
制作年(和)明治28
制作年(推定) 
寸法縦(cm)66.90
寸法横(cm)139.80
作品・作家解説橋本雅邦[はしもと・がほう]
1895(明治28)年頃 彩色、絹、軸 66.9×139.8cm

「長江」は長い流れの大河を意味し、中国の揚子江(ようすこう)の別称として使われています。人物が揚子江に張り出した見晴らし台から、漁に出ている数隻の小舟を眺めている光景を描いた作品です。きびきびとした線の抑揚や墨の濃淡の妙をみせる前景の樹木や建物の表現には、狩野派の俊才であった技量の確かさと格調の高さがうかがえます。一方、海軍省兵学寮に勤務していた頃に西洋の油彩画にも関心をよせた雅邦は、「洋画そのままを日本画に応用するのではなく、神髄を究めてから受け入れるべき」と言っており、この作品でも遠くの景色や樹木の表現などに、西洋画にみられる光や大気の捉え方がうかがえます。この作品は平成3年に、近代美術で初めて埼玉県指定有形文化財に指定されました。

橋本雅邦[はしもと・がほう] 1835(天保6)―1908(明治41)
父の橋本養邦(おさくに)から絵を習い、12歳から木挽町(こびきちょう)の狩野勝川院雅信(しょうせんいんただのぶ)に学ぶ。同門の狩野芳崖(ほうがい)とともにフェノロサ、岡倉天心の指導を受ける。日本の伝統美術の研究の上に、西洋画の技法も取り入れた優れた作品を残し、横山大観、菱田春草らの後進の指導にも尽力した。

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