《色身―未だ視ぬ波頭よ》od.2

Title“rūpa”―Crest of the Wave Still Unseen od.2
作家名加納光於 KANO Mitsuo
技法・素材油彩、紙
制作年1992
寸法縦(cm)80.00
寸法横(cm)120.00
作品・作家解説1950年代から加納光於は版画のさまざまな可能性を探ってきましたが、78年に油彩に興味を持つようになります。画材研究に取り組みながら、蜜蝋を混ぜて、流動性とかすかな透明感をもつ油性の絵具を自ら作り、大画面の制作を試みていきます。制作方法も独特で、下塗りしたカンヴァスに絵具を置き、その上に透明なフィルムを接触させ、それを動かして微妙な色調を表現しており、筆で描く油彩画とは大きく異なります。幅6メートルを越えるこの大作も、このような特質が遺憾なく発揮されています。色彩が干渉し合いながら作り出す世界は、詩的な題名と相まって、まるで宇宙のように神秘的に感じられます。また、類似した構図の反復や規則的な斜線は、画面全体に緩やかな統一感をもたらしています。こういった画面構成への配慮は、紙に描かれた習作からもうかがうことができます。

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